梅雨がやっとあけましたね。
不快指数全開の蒸し風呂状態だったと思えば
すっかり忘れていた刺すような陽射しがやってきて・・・。
毎年のことですが、食欲がなくなっております。
濡れるのも大嫌いだけど、暑いのも嫌いなんでしょう
看板犬B.B.もこの始末・・・。
気温が急激に上がるこの時期は、やはり1年でもっとも
熱中症が多い時期です。
水分のバランスがとりにくい子供や年寄りの発症率が
高いのは人も動物も同じこと。
「朝は元気だったのに、夕方私が帰ってきたらぐったりしてたんです・・・」
と飼主さん。
体温40.5℃、脱水状態、呼吸が速い、反応が鈍くボーっとしている。
これだと確かに何かで熱でも出て具合が悪いのか?と思ってしまいます。
でもこの日は真夏日で、風も少なくホントに暑い一日でした。
血液検査でヘマトクリット値(血液の中で赤血球が占める割合、低ければ貧血
。逆に多すぎれば・・・)が60%近い!!
獣医は基本的なとこから問題究明しようとしました
院長:「ひどい脱水状態ですね。熱中症ってことはないですか?閉めっきりだったとか?」
飼主さん:「まさか・・・いままでなにも…」
飼い主さんたちが仕事で不在の昼間、夏は例年窓を少し開けて、扇風機を回していたという。
ミニピンくん7歳。去年まではずっと元気だったけど今年は様子が違った。
しかもこの日は浴室のドアを開けてなくて、あのひんやりしたタイルの冷却効果
に頼ることができなかったようで…。
ここ数日食欲もなく、おそらく慢性的な脱水が続いたのちに、最後の打撃が加わったのでしょう。
ミニピン君は、すぐに入院、体を保冷剤で冷やしつつ、点滴が始まりました。
翌日にはすっかり元気になったミニピン君でしたが、実はここからが医療従事者にとっての分水嶺なのです。
熱中症は急激に脱水がすすむため、血液の組成が短時間で激変します。
このため全身がパニックをおこし、DIC(血管内凝固症候群)という状態になってしまうことがあるのです。
このDICはガンや慢性疾患の末期でもおこり得ます。こんなかんじです。
①全身の血管の中で、勝手に血液凝固のスイッチが入ってしまい、小さな血の塊がたくさん作られます。
②凝固のために必要な因子がすべて先に使われてしまうため、肝心な場所で止血することができなくなり、ふつうは出血しないような部分から出血して血が止まりません。胃出血、腸管出血、膀胱出血、歯肉出血、鼻出血・・・
(私たちがせんべいを食べても歯茎からダラダラ出血しないのは、この凝固機能が正常に働いている証拠です)
③先に作られた小さい血の塊(血栓)が腎臓や脳の血管を詰まらせます。
④もちろん早急な対応が必要ですが、治療の甲斐なく亡くなってしまうことも多い
危機的な状況です。
熱中症の初発症状であるひどい脱水や、意識障害やけいれんなどの神経症状が収まったにもかかわらず、2-3日遅れてあちこちから血が流れだしたりする状況がおこるのです。
ワンちゃん達は「汗」をかくことがほとんどないので、体温が上がった時には口を開けて「ハァハァ」する時に口から吐息とともに水を蒸発させて体温を下げるのです。
でも、シーズー、パグ、ペキニーズ、ブルドッグといったいわゆる短頭種といわれるワンちゃん達は、咽頭の構造が普通の子たちと違い呼吸の時の空気の出入りがしにくいので、熱中症になりやすい子達といえます。
そして、猫、ウサギ、フェレットは普段から「ハァハァ」する動物ではありませんね?
なので、急激に外気温が上がれば対応できずにすぐ熱中症になってしまいます。
我が家は常に4匹のニャーニャーたちがいますから、必ずクーラーが点いてます。
電気代のこと言われるとツラいですが、昼間は誰もいないのでエアコンも使わずに閉めっきりにしとくことはできません(ToT)
「ちょっとだけだから・・・」とわんこ達を車において買い物へ10分だけ・・・とかしてませんか?
「お留守番はかわいそうだから、一緒に遊びに行こう!」と気温35度の真っ昼間に公園で全力疾走させてませんか?
真夏にクーラーをつけないで10分間、閉めっきりの車の中にいてみてください。
気温35度の真っ昼間のアスファルトで30分、這いつくばってみてください。
人が暑けりゃ動物だって暑いんです。
暑い夏の日は、水分摂取と、体調管理ですね!!
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