猫のフィラリア症

新しい年度もスタートして出会いや別れが多かった時期からそろそろ新しい環境にも慣れてきたころではないでしょうか?

 

私事ですが、とても親しくしていた友人も先月本土へ旅立ち少し淋しいような日々を過ごしている看護師Aです。

今月より狂犬病予防月間もはじまり、新しく家族を迎えた飼い主さんが多く来院される時期でもあります。混合ワクチン・狂犬病予防接種・ノミダニ駆虫薬・フィラリア症予防薬と様々な予防治療が重なりやすい時期でもありますが、「うちの子ちゃんと予防出来てます!」と胸をはって病院の問診時に答えていただける飼い主さんは残念ながらなかなか多くはないのが沖縄の現状です。

各種予防の必要な病気についてお話していきたいところですが、近年話題になっていて当院でも必要性を感じてきている予防できる病気について紹介したいと思います。

ワンちゃんを飼っている方にはお馴染みだと思いますが、フィラリア症が猫ちゃんにもあることをごぞんじでしょうか?

 

ご存じないかたのために紹介します。

感染経路としてはフィラリア症に感染している犬を吸血した際フィラリア幼虫を体内に保有してしまった蚊が猫を吸血することで感染してしまいます。

 

猫の体内に入った幼虫はほとんどの場合血管内で死滅します。この幼虫の死骸に対する免疫作用や幼虫が血管内につまって症状があらわれます。

まれに成虫に発育したフィラリア成虫は肺・心臓に寄生します。

 

主な症状として●呼吸困難や咳●嘔吐●食欲不振●体重減少などですが、感染してもほとんど症状が現れない猫もいます。悪化するとまれに突然死を招きます

 

 

わんちゃんの場合にくらべて感染率が低いように感じられますが、あくまで関東地方での統計であるのと他の病気と似ていたり、確定診断が難しいため多くの場合見逃されている可能性が高い病気なので、犬のフィラリア保有率が高い沖縄県内だと特に注意が必要な病気です

 

毎月一回の予防薬で確実に防ぐことが出来る病気になりますので、室内飼いの子でも予防をおすすめしております。

 

予防薬としてノミ駆除薬と一体になっているスポットタイプでの予防になりますので、毎月一回首の後ろにつけていただくお薬になります。

いくつか種類がございますので、スタッフにおたずねくださいね。

 

フィラリアを保有している子への予防薬の投薬に関しては注意が必要なのですが、確定的な診断が難しいため2歳以上のねこちゃんで今後予防薬をはじめたいという方はご相談下さい。

猫のフィラリア症に関しては症例数も少なく、当医院でも実際フィラリア症と診断した子もかなりまれですが発症すると重篤な症状を起こします。予防で確実に防ぐことができますのでぜひご検討ください。

予防出来る病気で重症化してしまった時に来院される方がまだまだ多いのが県内の現状です。

みなさん「しらなかった」「初めて飼うから」「健康だったから」とおっしゃいますが、ペットは飼い主さんがしっかり守ってあげないと自らを病気から守ることができません。

 

どうか後悔のないよう予防出来る病気はしっかり防いであげてください。

4・5・6月は狂犬病予防月間になっており、市町村の集合注射のため獣医が不在の日があります。また予防接種のため混み合うことが予測されるため来院される前にご連絡いただけるとスムーズに診療できますのでご連絡ください。

 

狂犬病予防接種希望のかたは市町村から郵送されてきた書類と鑑札をもって来院ください。

鑑札を紛失された方は再発行が必要ですので事前に料金を確認のうえ準備して来院して下さい。